=第7号 令和元年11月号=
難治性気管支喘息
夏から秋へ季節の変わりめの頃は、気道の過敏性が亢進し、またアレルゲンであるダニや家のほこりが増え、気管支喘息発作がおきやすくなります。
気管支喘息の約5%~10%にこれまでの吸入ステロイド薬、長時間作用薬のβ2刺激薬(LABA)やテオフィリン薬で十分なコントロールができない難治性喘息があります。難治の要因としては、高度なアレルギー性、気道過敏性の他に慢性閉塞性肺疾患(COPD)が合併し、肺の構造が損傷される場合があります(ACO)。高度なアレルギー性については最近いろいろな生物学的製剤が使用可能となって有効性を発揮しています。
ACOは特に高齢者に多く、治療が手遅れにならないよう、早め早めの治療が必要です。普段から吸入のステロイド薬、長時間作用のβ2刺激薬(LABA)に加えて長時間抗コリン作用薬(LAMA)の併用(トリプル治療)を行い、それでも発作がおこる場合には早めに発作への治療が必要となります。
わが国は高齢化が進んでおり、今後、気管支喘息とCOPD合併のACOは増加すると推測されていますので、定期的に通院され、コントロールをしていかれるようお願いします。
浦田医院 院長 浦田 誓夫