H24年8月号 天衣無縫

H24年8月号 天衣無縫

=第181号 平成24年8月号=

あなどれない脂肪肝

平成の時代は、昭和と比べると食生活が格段と豊になりましたが、一方運動不足も加わりこの20年間でも肥満の人は1,5倍に増加し、日本では約2300万人(男性1300万人、女性1000万人)と推定されています。

それとともに肝臓に脂肪(主に中性脂肪)がたまる脂肪肝も増え、約1000万人以上といわれています。

また、脂肪肝のうち約10~20%に肝機能障害が認められ、脂肪性肝炎といわれています。

人間ドックの集計でも、受診した人の約30%に肝機能障害が認められ、そのうち2/3は肥満を伴っていました。  以前は、脂肪肝は良性疾患であるといわれていましたが、10~20%に肝炎がおこり10年後にはそのうち20%の人が肝硬変になり、肝癌の発症の恐れがあるとされるようになりました。

脂肪肝は、このように肥満に関係する事が多いのですが、肥満でなくても、アルコールの飲み過ぎ、糖尿病,脂質異常症の人にも合併してきますので定期的な肝臓の検査(血液、腹部の超音波)が必要です。

予防及び治療は肥満の人は、腹八分で減量し、多いに運動(1日に約1時間の散歩)すること。

また、アルコールの制限あるいは禁酒、糖尿病や脂質異常症の適切な治療を行い肝臓の脂肪を減らすことにつきます。

おいしいものは少しずつ、また栄養のバランスを考えてとり、アルコールも缶ビール1~2本、日本酒も1~2合/日、焼酎もコップ半分/日位までとして、週に2回は酒を飲まず、休肝日として長く健康な人生を味わって下さい。

平成24年7月 浦田 誓夫