=第186号 平成25年1月号=
ここに平成25年が新しく始まりました。
昨年は、私どもの家族の不幸の為、多くの皆様にお世話になり謹んで感謝申し上げます。
平成24年は、医療保険と介護保険の同時改訂がありましたが、これらの保険を含めわが国の社会保障は緊縮の方向に向かい、経済の低下、政治の混迷はますます強まってきました。
そして、今なお東北大震災の影響が原発事故も含めて、全国に及んでいます。
しかし、医学、医療は京都大学の竹中伸哉教授がノーベル生理学・医学賞を授賞されたように、一歩ずつではありますが前進しております。
本年をぜひ日本の回復の始まりとして、医学、医療がさらなる進歩をとげ、難しい病気も治せるようになることを切に願います。
本年も当医院は誠心誠意医療に心がけて参る所存ですので、よろしくお願いいたします。
浦田医院 浦田 誓夫
気管支喘息について
~平成24年12月号の続き~
4.合併症
アレルギー性鼻炎(50~70%)、アトピー性皮膚炎(20~40%)やアレルギー性結膜炎などの他のアレルギー性疾患の合併があり、特にアレルギー性が明確な小児の気管支喘息に合併しやすいです。
また、アレルギー性の気管支喘息を治療して軽快した場合、逆にこれらの他のアレルギー性の合併症が強くなるという交代現象がおこってくることがあり、アレルギー性疾患は全身のアレルギー状態で、アレルギーそのものをコントロールする心づもりが大切です。
5.日常生活の注意
前に述べました気管支喘息の最大の原因である室内のほこりを減らすことが最も重要です。
室内の掃除、換気、寝具の洗濯をこまめにやるように心がけて下さい。
また、冬場は室内が乾燥になりすぎないように、加湿器などで湿気を適度に保つようにして下さい。
運動は、時に喘息を誘発しますが、適度な運動は長期的にみれば喘息を良い方向に向かわせると推定されています。夏の水泳、冬のスキーが、清浄な空気の下での運動として最も推奨されています。
食物は、検査でも前もって予測することは困難なことが多く、経験的に喘息やじんま疹をおこした食材はさけるようにしましょう。食物アレルギーは、小児に多く、2~3歳まで原因食物を除いておけばその後消化機能が発達するに伴って、多くの場合食べても大丈夫となります。
仕事,、家事、育児、介護などは、過剰なストレスにならないように1人でかかえこまないで適度にリラックスするようにしましょう。
6.予防
小児の気管支喘息は、成人になると約70%が自然に軽快すると報告されて、その間出来る限り大きな喘息発作をおこさないようにコントロールすることが大切です。成人に持ち越した場合や大人になって発症した気管支喘息は高血圧、糖尿病などと同様、慢性の疾患で長期のコントロールが必要です。
平成24年12月 浦田 誓夫