浦田医院

F・F

私は年齢はともかく、先生をはじめ先輩方の指導のもと、一日も早く患者さんから信頼されるスタッフになれるよう頑張っているところです。

M・M

受付の対応一つで病院のイメージが決まるので、一人一人患者さんに対して、わかりやすく、丁寧な対応を心がけてこれからも頑張っていこうと思います。

M・O

こんにちは。 事務部に所属しています。

毎日3人の男の子の育児におわれています。

仕事と家庭の両立は難しい面もありますが、周りの人に支えてもらいながら頑張っています。 これからも、どうぞよろしくお願いします。

M・K

勤務歴20年。

患者さんからは、「昔から、あなたがいるから安心する!!」と声を掛けられることがあり、とても嬉しくありがたく思っています。

また一人の母親として、おばあちゃんとして、お子さんについて若いママさん達と相談できるように心がけています。

また来院された方が安心して帰って頂けるようこれからも頑張っていきます。

T・D

勤務年数と友人・知人とプライベートで遊ぶパワーは、職員メンバーの中で負けません。

この経験とつながりをこれからも大切にして、もっと増やそうかとなと頑張っています。

H30.6月 院内報 天衣無縫

便 秘
 
食物は口から入り、便となって肛門より出てくるまで、胃で約2時間、小腸で約4時間、大腸で約1日を要して通過していきます。

特に大腸では一日かけて通過する間に大部分の水分が吸収されて、約10%の水分を含んだ状態で普通の便ができあがります。

便の消化管の移動は消化管の蠕動というみみずのような動きで行われ直腸に便が入ってくると自律神経反射により便意を感じ反射的に直腸の収縮がおこり、それに自らの意思で腹筋に力を入れて腹圧をかけて排便が行われます。

Ⅰ.便秘
A原因
便秘とは排便回数や量が少なくて、排便に困難や不快を感じる状態をいいます。おおむね便は硬くなることが多いですが時に軟らかい場合もあります。また毎日排便があっても兎の糞のように硬く、少量の場合もあります。

大きく4つの原因に分かれます。

1)機能性便秘
①結腸通過時間遅延症
大腸での通過時間が長くなり、その間水分の吸収が多くなり便が硬くなってきます。お年寄りややせ型の女性、運動不足、長期臥床、野菜などの食物繊維の不足の人に起こります。

②結腸通過時間正常型
直腸手前の左側結腸の緊張が強いためここだけ便の通過が遅れてしまいます。左側の腹痛を伴ったり最初は兎の糞の様で後から軟便となりがちです。また排便後もすっきりせず残便感があったり少量の便意がゆるゆる出てきがちです。

③排出障害型(直腸型便秘)
直腸に入っても便が出にくい状態で、直腸脱や直腸瘤などの変化や、便意を我慢する習慣を続けた人に多いです。

2)器質性便秘
大腸の癌や炎症、腹腔内の腫瘍による圧迫、腸管壁の神経障害(腸閉塞など)などでおこります。

3)全身の疾患や生活習慣による便秘
全身疾患としては
全身衰弱、神経疾患(脳卒中、パーキンソン病、精神病)、糖尿病、甲状腺機能低下症、妊娠、電解質異常、脱水や肝硬変などがあります。

生活習慣としては
加齢、運動不足(歩行、腹のマッサージなど)食事の不規則(一日3食特に朝食はとるようにこころがけることが大切です)、摂食不十分、食物繊維不足、暖房や厚着のしすぎなどがあります。乳酸菌などのよい腸内環境を含む食材(ヨーグルト、チーズ、味噌、漬物など)を多くとる、便意がなくても同じ時間にトイレに座り息んでみることをくり返すと自律神経のリズムが整い俳便反射の回復が期待できます。

4)薬剤性便秘
下痢止め、胃腸薬(抗コリン薬、制酸剤)抗パーキンソン病薬、鎮痛薬や向精神薬などでは便秘になりがちです。

B治療
生活習慣を整えても便秘が治らない場合は下剤を使用します。

1)浸透圧性下剤
腸管内の浸透圧を高めて腸管からの水の分泌を高めて便の水分量を高める作用があります。塩類下剤のマグミット、酸化マグネシウムが代表的で通常第一選択です。他に糖類下剤のDーソルビトールなどがあります。

2)膨張性下剤
腸管からの水分の吸収を抑えて、便の水分量を高めます。ポリフルが代表的ですが過敏性腸症候群の便秘型が適応です。

3)刺激性下剤
大腸の収縮を促進する作用があります。センナ(アローゼン)センノシド(プルゼニド)、アロエ、大葉、ラキソベロンなどが代表的でまたよく用いられる下剤ですが習慣性が出て、効きにくくなってくる場合があります。

4)粘膜上皮機能変容薬
最近、腸管の粘膜の上皮から腸管内へ
の水分泌を高める作用のある薬がでてきました。アミティーザ、リンゼスなどがありますがいずれも便秘型の過敏性腸症候群が適用です。

5)坐剤~即効性があり症状が強い時のよい適応です。
➀レシカルボン座薬・・腸管内で炭酸ガスを発生し腸の蠕動運動を刺激して排便します。
➁テレミンソフト・・・結腸直腸の蠕動刺激作用があります。
③グリセリン浣腸・・・便の水分量が増加し、便のすべりやすさが増し、また腸の蠕動運動を高めます。

H30.5月 院内報 天衣無縫

=第250号平成30年5月号=

肺癌について  わが国では、肺癌で亡くなられる人々は毎年増え続け現在7万人を超え、胃癌を抜いて癌による死亡の第一位となっています。

肺癌は癌の中でも発見時進行していることが多く、肺癌が治る割合は約30%で癌の中でも治りにくいとされています。

しかし近年肺癌の治療も進歩してきており、治る割合が少しずつ増えてきています。

Ⅰ.肺癌の診断の進歩

わが国の肺癌は喫煙者の低下に伴い扁平上皮癌は減ってきましたが、腺癌という型が増えてきてX線などの画像で診断できる割合が増えてきています。ですからまず、年に1回の健康診断(市町村での癌健診)で胸部X線を撮ることが基本です。日本ではまだ受診率が高くなく、受診率が高くなればなるほど早期発見の機会が増えてきます。また、近年胸部CTを健診に導入する動きが少しずつではありますがでてきて、早期発見の割合がさらに増していくことが期待されます。

Ⅱ.肺癌の治療の進歩

1)手術 肺癌の根本的治療は手術で切除することですが、早期発見の割合が高まると手術による治癒率も高まり、また開胸することなく胸腔鏡という内視鏡のカメラを用いてより侵襲の少ない安全な手術が可能となります。  

2)放射線治療   放射線の種類や放射線量の調節、焦点の絞り込みが進み、より効果的で安全性が高まってきています。  

3)化学療法   少しずつではありますが、より効果的で安全性の高い薬の開発が進んできています。

4)免疫療法   近年、肺癌の発症、増殖及び転移に関する研究が進み最も進歩が著しい領域で、この10年間相次いで薬剤が開発されてきました。これらの薬は肺癌が成立する過程におけるさまざまな体内の物質に対する抗体を用いて肺癌を治癒に導く作用をし、抗体医薬、分子標的薬とも呼ばれています。これらの薬により肺癌の縮小を図り、また少しずつではありますが生存を延ばせるようになってきています。しかしこれらの薬は新しい薬が多く、長期の効果はこれから検討されます。また、従来の化学療法薬(いわゆる抗癌剤)による重大な副作用である骨髄の抑制や腎不全などは少ないのですが、間質性肺炎や重篤な胃腸炎などの異なった副作用を有しており注意が必要です。 肺癌の判断と治療は少しずつ進んできて、予後も改善されつつありますが何よりも大切なことは予防です。肺癌の二大リスクは喫煙と大気汚染とされており喫煙をしないこととまた自動車や工場などの排気ガス対策が最も重要です。

浦田医院 院長 浦田誓夫

H30.4月 院内報 天衣無縫

=第249号平成30年4月号=

~花粉症について~  

わが国では人口の約60%の人が何らかのアレルギー体質を持っており、中でもスギ花粉症は約40%、キク科(セイタカアワダチソウ、ブタクサ、ヨモギなど)花粉症は約20%の人がかかわっており、国民病といってもおかしくない状態です。

このようなアレルギー性疾患の増加は戦後から著しくなり、工業の発展、自動車の普及に伴う大気汚染や魚、野菜から肉食中心の食事への変化や衛生状態がよくなり寄生虫などの感染症が減少してしまったこと(衛生仮説)と関連があるとされています。

また以前は40歳台を中心とした成人が多かったのですが最近は10歳台やそれ以下の子供達が増え低年齢化してきています。

ここでは季節の代表的な花粉症について述べます。

Ⅰ.代表的な花粉症

1)春の花粉症

スギとヒノキが代表的で特にスギは最も多い花粉症です。スギは2~4月、ヒノキは3~5月の花粉の飛散のピークに応じて花粉症をおこします。当地では5月中旬から夏にかけてカモガヤ(イネ科)の花粉症が多くみられるのが特異的です。ただ沖縄と北海道の北部にはスギが自生しておらず発症しません。ヒノキはスギと一部アレルギー性の成分が共通しており、スギとヒノキの花粉症を合併している人は少なくありません。また、スギ花粉症は秋に少し飛散しておりスギ花粉症の約2割の人は秋にも症状が出ます。信州や北海道ではシラカンバ、ハンノキの花粉症があります。  

2)夏の花粉症

イネ科(カモガヤ、スズメノテッポウ、オオアワガエリ、ホソムギなど)は初夏から夏、秋にかけての花粉症です。背丈の低い雑草ですので花粉は木の花粉と比べて遠くまで飛ばず、草に近寄った時に症状が出ます。  

3)秋の花粉症

キク科(ブタクサ、セイタカアワダチソウ、ヨモギなど)やクワ科(カナムグラ)の花粉アレルギーがおこりますが、やはり雑草ですので草の生えている近くで発症します。 Ⅱ.症状  鼻汁、鼻づまり、くしゃみがアレルギー性鼻炎の3大症状です。他に目のかゆみや、涙などのアレルギー性結膜炎も合併します。またアレルギー性鼻炎の2割の人に気管支喘息が合併します。他に手足や頚などの皮膚の露出部にもアレルギー性皮膚炎をおこしてきます。また花粉症と関連して花粉と共通なアレルギー性を持つ異物や野菜を食べると口の中でアレルギー反応をおこし口腔内や口唇のハレやかゆみがおこることがあり、花粉・食物アレルギー症候群(口腔アレルギー症候群の一つ)と呼ばれています。 イネ科、マメ科の花粉とウリ科の果物(メロン、スイカ等)ヨモギ花粉とセリ科野菜、カバノキ花粉とバラ科の果物(リンゴ、モモ、サクランボ)等が代表的です。

Ⅲ.治療

最近は天候不良でスギやヒノキの花粉の飛散状況や予報が発表されていますので、花粉の飛散する2~4週間前からの抗アレルギー薬の内服をします。

またマスク、めがねによる花粉の付着防止、外出からの帰宅時はうがい、洗顔、洗鼻、上着のほこりを払うなどの予防も有効です。

発症時には点鼻薬、点眼薬の使用が進められます。

また、より根治的に花粉のアレルギー性を減少させるために減感作療法がおこなわれています。

スギ花粉では皮下注射や舌下に花粉エキスを投与しますが、少なくとも3年は継続する必要があります。

浦田医院 院長 浦田誓夫

H30.2月.3月号 院内報 天衣無縫 

=第247号平成30年2.3月号=

インフルエンザについて  本年1月下旬の段階で熊本県におけるインフルエンザの流行は拡大し、警戒レベルに達しています。

最近のインフルエンザの知見について述べます。

1 インフルエンザの症状

インフルエンザは突然の発熱が先行し、鼻汁、咳、頭痛、関節や筋肉痛が伴い、普通の感冒と比べて全身症状の強い感染症です。伝染は主に飛沫感染ですが、空気感染もあるとされており、伝染力は他の感冒のウイルスと比べて強力で発症後から治った後も一定期間の隔離(発症した翌日から5日間あるいは解熱した日から2日間(幼児では3日間))が必要です。

インフルエンザの発症は38℃以上が原則ですが、発熱の程度は年令とともに軽くなる傾向があります。インフルエンザワクチンの予防接種をしている場合はかかっても発熱や症状は軽くなると報告されています。

また人にかかるインフルエンザはA型とB型(まれにC型)がありますがB型は発熱や症状がA型より軽い傾向にあります。

インフルエンザの重大な合併症は肺炎と脳症で肺炎は高齢者に、脳症は乳幼児に多く合併し時に死亡する危険があります。日本では例年約1000万人がインフルエンザに罹患し約1万人の人(大部分は高齢)が多く肺炎で亡くなっています。

2 インフルエンザの診断

インフルエンザの診断は症状の項で述べたように38℃以上の発熱と感冒様症状(鼻汁、咳、のどの痛み)に加え強い全身症状(ふしぶしの痛み、頭痛、全身のだるさ)があることと、周囲の流行状況を勘案して総合的に診断します。

ただ、インフルエンザの流行期といえども発症の半分はインフルエンザ以外が原因であると報告されています。

インフルエンザの迅速診断テストは鼻やのどの粘液を採取してその場で迅速(約10分間)に判断でき、また感度はA型B型を問わずほぼ90~100%と高く簡便かつ有用なテストで診断の補助となります。

ただ迅速テストの感度が最大となるのは発症(発熱の始まり)から約12時間以降で、それ以前には感度が充分に高くなく陰性に出る場合がありますので場合によっては再検査が必要となることがあります。

3 インフルエンザの治療について

1)経口薬

オセルタミビル(タミフル)1日2回5日間内服します。

今シーズンより生後2週から1歳未満での投薬が可能となりました。それ以降の年齢については10歳から19歳ではタミフルに伴う異常行動の合併症の発生が解決されておらず日本だけですが投与はしない方が望ましいとされています。また、タミフルはAソ連型(H1N1)では耐性の頻度が高くなっていますがここ最近はAソ連型の流行はみられていません。またファビピラビル(アビガン)という他の抗インフルエンザ薬とは作用機序の異なる経口薬が開発されていますが一般に使用されず大規模な新型ウイルスの流行が発生した時にそなえて温存されており国の指示で投与可能とされている薬です。

2)吸入薬

ザナミビル(リレンザ)とラニナミビル(イナビル)共にドライパウダー式の吸入薬です。

リレンザは1回2吸入5日間ですがイナビルは1回で10歳未満に2吸入10歳以上で4吸入すれば治療は終了しますのでイナビルの使用機会が増えています。ただ一定の速さ以上で吸入する必要があり、乳幼児や高齢者では困難な場合があります。イナビルは吸入器(ネブライザー)を用いての自然呼吸で治験が進行中でまもなくネブライザーの液が使用できるようになると思われます。

3)注射薬

ペラミビル(ラピアクタ)は点滴注射薬で内服や吸入が困難な場合は第一選択となる薬です。

一日1回ですみますが場合により連日の反復投与が可能です。 以上の抗インフルエンザ薬はアビガンを除きノイラミニダーゼ阻害薬とされている薬でどの薬も同等に解熱期間を約一日程度短縮する効果がありますが、重症化の予防は否定的で充分な全身管理   (安静、補水、栄養、解熱)が必要です。 またB型はA型に比べ抗インフルエンザ薬の効果がやや弱いと報告されています。

4 インフルエンザワクチンについて

年齢別に6ヶ月以上3歳未満は0.25ml皮下注、2~4週の間隔をあけて2回、3歳以上13歳未満は0.5ml皮下注2回、13歳以上は0.5ml皮下注1回または1~4週の間隔をあけて2回の接種が推奨されています。感染予防効果は約50~70%と他のワクチンと比べてあまり高くありませんが、インフルエンザウイルスはワクチンの標的である抗原が変異しやすいのが理由です。

ただし、インフルエンザに感染してもワクチン接種をしていれば症状は軽くまた重症化を防ぐ効果があると報告されています。

また高齢者はインフルエンザワクチンのみならず、肺炎球菌ワクチンを接種しておくと、肺炎の合併防止効果があるとされています。

5 一般的な予防にいて

まずウイルスからの暴露をできるだけ避けるようにすることです。

患者さんの咳に伴うウイルスを含む飛沫は約2~10m四方に飛び散りますので、ます距離を保つ、患者さんは伝染力がある間は別室で過ごし、家族はできるだけ接触を避けることです。

マスク・うがい・手洗いはその予防効果は十分証明されてはいませんが、やはり心かげておいた方がよいでしょう。また室内の保温や保湿にも注意して下さい。

次いで、自身の抵抗力を高めることです。流行期は特に充分な睡眠や休息をとり疲労しないように、またバランスの取れた栄養を心がけましょう。  

浦田医院 浦田誓夫

H27年5月号 院内報 天衣無縫

=第214号 平成27年5月=

関節リウマチについて

1.関節リウマチとは 関節リウマチは、全身の関節に炎症がおこり、放置すると関節の破壊が進行し変形して関節の機能が失われ寝たきりとなる深刻な病気です。原因は関節の内腔をうら打ちしている滑膜の炎症がもとで周囲の軟骨や骨の炎症と破壊がおこることにあります。その炎症は自己免疫反応によりおこるとされます。

本来自分の体はウイルスや細菌などの異物が侵入してくると免疫反応と呼ばれる異物に特異的な炎症反応がおこり、自分の体から異物を排除して体を守っていますが、自己免疫反応は自分の体の一部や成分が何故か異物とみなされ免疫反応がおこり、破壊排除しようとします。

関節リウマチはこのような自己免疫疾患の代表的な疾患ですが、最近遺伝子解析にてリウマチを発症しやすい遺伝子型が明らかになりつつあり、ほとんどのリウマチの人は遺伝子の型で規定されており生まれた時からリウマチを発症する可能性がある、すなわちリウマチの体質であることがわかってきています。

さらに体質に加え、喫煙や歯周病が生活習慣や環境の影響として加わり、リウマチが発症すると考えられるようになりました。なぜ関節の滑膜に対してこのような自己免疫反応をおこすのかはわかっていません。我が国の関節リウマチの患者さんは約60万人といわれ、40~60歳代の女性が最もかかりやすい(男女比3:7)と報告されています。

2.関節チウマチの診断

全身の関節炎がおこりますが、特にリウマチでは手や足の指の2番目と3番目の関節や手首の関節炎がおきやすく、肘、腰、肩、足首、股関節は比較的少ない傾向があります。これらの関節炎が6週間以上続き、関節のレントゲンで関節や周囲の骨の変形が認められ、さらに血液検査でRAHAテストや抗CCP抗体が陽性となることでリウマチの診断がされます。また関節リウマチは関節炎以外に、肺線維症が10%に他には貧血、口の乾燥(だ液腺の炎症)や全身の血管炎や二次性のアミロイドーシスによる腎障害が合併する場合があります。

3.関節リウマチの治療

関節リウマチは放置すると寝たきりに至る深刻な疾患ですが、この20年間特にこの数年間で新しい作用機序の治療薬が開発、使用されて、関節破壊の進行が食い止められるすなわち自己免疫反応を抑えることができるようになりました。

現在は、リウマチの治療薬の第一選択は抗リウマチの薬と呼ばれる免疫調整薬で、中でもメトトレキセートが極めて有効です。ただ即効性がないのでその間鎮痛薬やステロイド薬を併用します。約60%の人にはこれで有効ですがメトトレキセートで効かない場合、最近創薬された分子標的薬(TNFα、IL-6、JAK結抗薬やT細胞共刺激調整薬)が有効で、根治することも夢ではない時代になってきました。

ただ、抗リウマチ薬や分子標的薬は免疫調整あるいは抑制薬ですので特に特に感染症の合併に注意を払う必要があります。

浦田医院 浦田 誓夫